社会医療法人 松柏会 至誠堂総合病院

ごあいさつ

院長あいさつ

 2020年2月に国内発生例が報告された新型コロナウイルス感染症の報道から約3年あまり経過した今年5月に感染法上、5類から2類に変更になり、新型コロナウイルス感染症は新たな局面を迎えています。それまで殆どの医療機関が面会制限を設けていましたが、徐々に緩和され、当院でも6月から時間的制約はありますが、面会可能となっています。ただ、ウイルスが消滅したわけではなく、今後も感染者急増の波は不可避との報道もされており、院内ではスタッフのマスク着用、標準予防策を講じての診療活動は継続しており、来院者にはマスク着用の御協力をお願いしているところです。
 さて、当院は1903(明治36)年、私立至誠堂病院として中原貞衛(なかはらさだえ)先生(外科医)が創設された病院で今年、創立120年となります。この間、地域の皆さんの健康を守る砦として歴史を刻んで参りました。1957年に至誠堂総合病院と改称、1970年に医療法人社団松柏会へ改組、2023年4月から社会医療法人へと認可され、より一層、公益性が求められる医療機関としての使命

を受けることになりました。当院は1970年、民医連に加盟し、『安全・安心・信頼される公正な医療の実践』を病院の理念として「いつでも、誰でも、安全で安心してかかれる、信頼される病院」を目指してこれまでも公益性のある活動・運営を行なってきています。
 民医連(全日本民主医療機関連合会)とは「無差別・平等の医療と福祉の実現」を目指す組織で、いつでも・どこでも・だれもが安心して受けられるよい医療、社会保障充実のための活動を行なっています。当院でもそのような取り組み、特に高齢者医療を中心に地域の健康を守るため幅広い活動をしています。そのひとつに1978年から始めた訪問看護ボランテイアがあり、1992年には訪問看護ステーションを開設(山形県第1号認可)し、高齢者医療の構築に尽力してきています。また、2010年3月に回復期リハビリテーション病棟を当院4階に開設し、歯科衛生士を含む60名余りの療法士と3名の専門医を配しています。山形大学医学部附属病院、県立中央病院、市立病院済生館、山形済生病院など市内を中心とした急性期病院からリハビリを必要とする方々の転院を受け入れる連携病院としても機能しています。至誠堂総合病院の法人内関連施設としてわかばクリニック(至誠堂総合ケアセンター内)、とかみクリニック(市内西部)、中山診療所(中山町)を有し、医療介護を総合的に扱う「至誠堂総合ケアセンター」内にはサービス付き高齢者向け住宅 グランドホームはたごまち、至誠堂ケアプランセンター みらい、地域包括支援センター かがやき(山形市からの委託事業)、介護療養型老人保健施設 木の実と同施設附属の通所リハビリ、訪問看護と訪問リハビリを行なう至誠堂訪問サービスセンター コスモスがあり、急性期から維持期(生活期)まで、一貫した医療介護活動を担っています。さらに訪問リハビリについては病院からも行なっており、生活期の医療活動に力を入れています。また、6,500名を超える「やまがた健康友の会」の皆さんと協力して会員様の健康を守る保健予防活動を行い、貴重な御意見を賜り、病院運営にも生かしております。
 今やわが国の高齢化率(総人口に占める65歳以上の方の割合)は2022年9月時点で29.1%であり(世界一)、2位イタリアの24.1%を大きく上回っています。山形県は34.3%(2021年10月)で全国平均を上回っています。地域の皆様が健康で明るく楽しく生活できる、いわゆる‘健康寿命’、ならびに健康な長寿社会の維持・増進に力添えできる病院を目指し、医師・看護師をはじめ職員一同、切磋琢磨し、不断の努力を心がけて日々研鑽しています。

至誠堂総合病院 病院長 小 林 真 司
2023年 7月